漬け込みのこだわりPrejudice

生たくあん

漬け込み期間:11月~12月末

つけもの屋の見せ所はやっぱり冬の漬け込み。1本、1本こだわって丁寧に漬け込みを行います。
 生たくあんはほどよい歯切れと熟成風味が持ち味。ごはんを美味しくさせます。弊社こだわりは「歯切れ」「低塩」です。

① 大根の収穫

大根産地は地元・宮崎県小林市を中心に契約栽培の白首大根を使用しております。(白首大根~家庭で使う通常の青首大根とは違い、漬物用に品種改良された大根です。青首大根よりスマートで、沢庵にした時に歯ごたえがあり、たくあん風味が良くなります。)
8月後半~9月初旬・中旬にかけて播種後、間引きを経て65~70日位で収穫します。

② 大根の受け取り

生産者が直接もってきた大根を順次受け取りを行います。サイズ・重量・キズ等々確認後、漬け込みを行います。

③ 1押し(荒漬)

入荷した大根を地下タンクで荒漬けします。大根の量に応じた天日塩を振り、重石で3日間程漬け込みます。大根の水分が抜け、70%(1kgの大根が700g程になる)まで目減りします。

④ 2押し(中漬)

1押しされた大根を洗浄し再度地下タンクで漬け込み熟成させます。1本、1本並べて漬け込みます。重石を乗せて1週間~熟成させます。熟成後は入荷時から約60~55%まで目減りします。発酵が進むと産膜酵母が出てきます。

⑤ 3押し(本漬)

2押しされた大根を引き上げ、3押し(本漬)を行います。貯蔵用タンクにて再度隙間が出来ないように1本、1本並べて塩と糠で漬け込みます。3押し後は入荷時から約50%~45%まで目減りし、柔らかく歯ごたえある沢庵へと仕上がります。

⑥ 低温熟成(3±3℃)

3押し(本漬)された大根は冷蔵庫にて保管、ゆっくり熟成させます。低温により低塩で漬け込むことが出来き、フレッシュ感ある沢庵となります。
生産者の協力のもとトレースもとれるように管理しております。

生たくあんのアレコレ

昔は漬物の塩分は10%以上ありました。昨今は低温で保管できるようになったこと、低塩の嗜好になったことから沢庵の製品塩度は3%前後です。昔の塩辛い沢庵ではなく、沢庵の風味を生かした製品へとなりました。決して塩分が高い食べ物ではないのです。

沢庵は熟成期間とともに大根の色が白から黄色くなっていきます。これは大根の熟成にともない大根の辛み成分である「4-メチルオ-3-ブテニルイソチオシアナート」が分解された事で起こる現象です。無着色の沢庵製品でも大根が黄色になっているのはその為です。

3回漬け替える事で出来上がる本漬けたくあんは食物繊維(100g中、約3g)も豊富です。

干したくあん

漬け込み期間:12月~2月末

干し大根のサイズにあわせて1本、1本、大切に漬け込みを行います。
 干すことで濃縮された大根の旨み、特有の風味が更に発酵によって最高のおかずとなります。

① 櫓干し/やぐらぼし(11月下旬~2月)

干し理想、日向理想とよばれる干し大根専用品種の大根を9月中旬、下旬~より順次、播種し11月中旬、下旬より収穫、櫓干し(やぐらぼし)を行います。約2週間程、干すことで1/3ほどに細くなります。大根で「の」の字、「U」の字の形がつくれるくらいまで干し上げます。干された大根はアミノ酸が増え、甘味が増し、歯ごたえが非常に良くなります。

② 干し上がった大根

産地より直接もってきた干し大根を順次受け取りを行います。サイズ・重量・キズ等々確認後、漬け込みを行います。

③ 漬け込み(本漬け)

貯蔵用タンクにサイズにわけて一本一本並べて漬け込みます。空気に触れないように隙間なく詰めていくように並べ漬け込みます。場合により、またしっかり熟成させたい時など地下タンクにて漬け込み、常温下で発酵させます。

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④ 米ぬか、塩振り

一段毎に米糠、塩振りを行います。一面均等に振るように心掛けます。タンクの一番上段は空気や産膜酵母に近い段にて仕上げとして、より多くの米糠、塩をふります。

⑤ 貯蔵(低温熟成)

漬け込んだ貯蔵用タンクを冷蔵庫に保管し低温でゆっくり熟成させます。低温で熟成させる事で低塩でフレッシュ感ある干したくあんへと仕上がります。

干したくあんのアレコレ

昔は漬物の塩分は10%以上ありました。昨今は低温で保管できるようになったこと、低塩の嗜好になったことから沢庵の製品塩度は3%前後です。低塩になったことで昔の様に塩辛いだけでなく干し沢庵の風味を生かした製品へとなりました。決して塩分が高い食べ物ではないのです。

沢庵は熟成期間とともに大根の色が白から黄色くなっていきます。これは大根の熟成にともない大根の辛み成分である「4-メチルオ-3-ブテニルイソチオシアナート」が分解された事で起こる現象です。無着色の沢庵製品でも大根が黄色になっているのはその為です。

干し沢庵にはGABA(ギャバ)と呼ばれるアミノ酸の一種が多く含まれていることが分析結果で分かっております。GABAは血圧上昇を抑える働きや精神安定に役立つと言われており、その含有量は干し沢庵100g中50~100mg程度含まれております。これは発芽玄米やチョコレートよりも多く含まれていることが分かっております。

干し沢庵は干す事により旨みが凝縮されるばかりでなく、食物繊維も豊富になり100g中、約5g程、食物繊維が含まれております。漬物の中でもトップクラスです。

干し沢庵はその歯ごたえが魅力です。良く噛むことは脳にも刺激をあたえ、歯も丈夫に保てます。良く噛む習慣を身につけましょう。

高菜漬

漬け込み期間:2月~4月

冬越しした春先は九州名産・高菜の漬け込みを行います。こだわりは自社マニュアルに沿った漬け込みを行い、色合い、風味、仕上がり良い高菜漬を製造いたします。

① 高菜畑・収穫

弊社高菜漬けの高菜の産地は南九州(宮崎、鹿児島)です。一般に高菜は9月中旬~10月初旬に掛けて播種し苗を生育させます。11月中旬~12月初旬に苗を移植し、2月末~4月に掛けて収穫します。1株、1株、根元よりカットして収穫。収穫後は畑に寝かせ1日、天日に干して乾燥させ柔らかくします。柔らかくすることで漬けたときに茎割れが無く、色よく綺麗に漬けあがります。


播種(苗作り)

苗の移植

収穫前

収穫

天日干し

② 受け取り・検品

入荷した高菜をサイズ、乾燥状等々、検品し受け取ります。高菜は入荷時1株1kg~1.5kg程度に成長してます。


天日干し前

天日干し後

③ 漬け込み

高菜を地下タンクにて1段、1段綺麗に並べて、漬けていきます。漬け込み時は葉の状態も確認しながら枯れ葉などは除いていきます。また高菜の乾燥具合を見て塩の量と重石の具合を調整しながら漬けていきます。特に乾燥の鈍いときなどは一度、塩水漬けを行い、柔らかくしてから本漬けを行います。

④ 塩振り・熟成

並べたら1段毎にウコンと塩を全体にまんべんなく振ります。ウコンを使用することで、風味良く、また色良く仕上がります。タンク上部まで漬けたら重石を掛けます。数日後、重石が下がり、水分が上がってきたら水分を抜き、重石を取り、更に高菜を漬け足していきます。これを3~4回程繰り返しタンク一杯に高菜を漬けこみ熟成させます。

⑤ 仕上がり

漬け込み後、すぐに乳酸発酵が始まり、1ヶ月程度でタンク表面に産膜酵母が発生してきます。重石の重量を調整しながら約半年程、熟成発酵させ高菜漬けとして製品になります。水分が抜け45~50%程になります。(1kgの原菜が500gになる)仕上がり時には綺麗なベッコウ色に仕上がり、高菜特有の風味が食欲をそそります。


熟成後 高菜(洗浄前)

熟成後 高菜(洗浄後)

高菜漬けのアレコレ

昔は漬物の塩分は10%以上ありましたが、漬物製造技術の向上並びに低塩の嗜好になったことで高菜の製品塩度も4%程度です。それにより野菜本来の味を生かした漬物へとなっていきました。決して塩分が高い食べ物ではないのです。

高菜漬は野沢菜漬、広島菜漬と並び日本三大菜漬と呼ばれております。これは漬物にしたとき、もっとも素材の味が引き立つ葉物の漬物であることで三大菜漬と呼ばれております。

高菜(原菜)は辛味成分が豊富ではワサビやカラシと同じアリル芥子油が辛味成分で食欲増進、抗菌作用があります。漬物にしても長く保存できる特徴があります。

高菜漬は食物繊維も豊富です。100gあたり4g程含まれております。

霧島山麓に位置する小林市は名水100選にも選ばれた湧水の地。その豊富な水量から弊社も地下水を使用しております。この地下水の恩恵を受けて漬け込みをはじめ、製品作りに生かすことが出来ております。


出の山湧水

低塩

漬物は低塩です

【低塩な漬物~体に必要な塩分~】
今日の漬物は低塩で塩分3%~4%程度しかありません。50年前から比べると1/3に抑えられております。成人の一日の塩分摂取量は10gと言われております。沢庵100gに塩は3g~4gしか使用していない事を考えても塩分の取りすぎにはならないのです。


(昔)沢庵100gに塩10g

(今)沢庵100gに塩3g

ちなみに沢庵丸切り1枚分は約10gとしても0.3gしか塩は含まれておりません。

沢庵の色の変化

写真(上):漬け込み後、2ヶ月~3ヶ月/写真(下):漬け込み後、1年以上

大根の辛み成分により白色→黄色に変化します。それにより沢庵特有の風味も加わってきます。
1月~2月に出回る漬け込み後、間もない新物たくあんの製品は白~ほのかな黄色で 沢庵風味がまろやかな商品となります。

※商品によっては色素であえて黄色くした商品もありますが、基本的に漬け込み時間とともに沢庵は黄色くなっていきます。

浅漬けの製造

地元の青果市場から宮崎県産の野菜をはじめ、国内の野菜を入荷し浅漬けを製造しております。キムチ、朝鮮漬け、糖絞り大根、白菜漬等々作っております。

01

浅漬けの基本 洗浄/温度

きゅうりなどは流水で表面をきれいに洗浄したあと、カット→流水洗浄(5分)→殺菌洗浄(10分)→流水洗浄(5分)を行っております。

白菜などもカット後は、流水洗浄(5分)→殺菌洗浄(10分)→流水洗浄(5分)

02

漬け込み

洗浄後の原料は塩漬後、重石を乗せ冷蔵庫で保管します。

03

各種味漬け

それぞれ味付けを行い計量し袋詰めを行います。

05

冷却

製品の製造後は一度、冷却水槽に入れ製品芯温を急速冷却し冷蔵庫に保管します。